木の話

「山」から始まる
家づくり

門前の山林、樹齢60年以上の
能登ヒバを大黒柱に。

門前町の山林に生えている60年以上経過した能登ヒバの木を、お客様自身に見て・触れていただきます。
そして選んでいただいたその大木を、大黒柱や、棟の直下に置く地棟丸太などに加工し、使用します。

社長の
ワンポイント
アドバイス

能登ヒバの材質は非常に粘りがあり、水にも強く腐りにくい木。鉋をかけると非常にきれいな木目が現れます。建物の土台、柱や梁、外壁の下見板、床板(フローリング)、化粧材などによく使われます。金沢城の菱櫓や五十間長屋にも数多く使われています。

能登ヒバには抗菌効果のあるヒノキチオールが含まれており、雑菌類やカビ類、ダニなどの増殖を抑える力があります。
当社施工事例に、ほとんどの材料が能登ヒバ(無垢材)で作られた家があります。ぜひご覧ください。

いい木を選んで
調達する

流通を通さない分、
安価で提供できる。

大島では、社長の大島利夫が自ら産地の市場に足を運び、原木を目利きし、仕入れています。
仕入れた原木は製材所で大割し、その後自社倉庫に搬入し、自然乾燥させます。
そして何年ものあいだ寝かせ、手刻みで加工され、家づくりに用いられます。

多くのハウスメーカーや工務店が、材木問屋から人工乾燥済みの材料を仕入れて使うのと違い、
流通を通さない分、安価に調達することができます。

しかしリスクもあります。
乾燥の過程でひび割れたりして使えなくなる木もあるからです。

だから目利きが必要。確かな原木を調達できる目利き力が、大島の家づくりを支えています。

当社で使用している
木材の種類と特徴

能登ヒバ
青森ヒバ
米ヒバ
米松
タモ
ナラ
乾燥

(ひのき・ヒノキ・檜)

耐久性・保存性にも優れたオールマイティーな国産材

建材としても有名な桧は、日本固有の樹木で、本州中部以西から四国、九州、屋久島に分布しています。
樹皮は赤っぽく、杉によく似ていますが、辺材は淡い黄白色、心材は黄褐色~淡い赤色です。木理はまっすぐに揃い、肌目は緻密で、独特の香り、光沢があります。弾力性、靭性(粘り強さ)があるため加工しやすく、耐朽性が高いのが特徴です。
建築では、柱、造作、土台、構造、床板、建具とオールマイティーに利用され、工業用途や家具、木型、桶や曲物にも加工されます。
日本書紀には「杉と楠(くすのき)は舟に、桧は宮殿に、槙(まき)は柩(ひつぎ)に使いなさい」と書かれているといいます。その通り仏閣や神社の建築に多く用いられてきました。
これは、ただ単に丈夫で耐久性があるから、という理由だけでなく「桧の強度は伐採後200年かけてますます強くなり、その後100年間で元の強度に戻っていく」という特性のためです。
現実に、1300年前に建てられた法隆寺や薬師寺の塔は桧でできていて、今もなお、その1300年前の桧を削れば芳香が漂い、十分に使用できる木材であり続けているといいます。その耐久性や保存性は、最高レベルといっても差し支えありません。
桧の良い香りには、気分を落ち着かせる効果、抗菌効果などもあります。
弊社ではお客様から、樹種の指定がない限り、土台・大引き・ネタ垂木・柱・間柱・筋交いを、岐阜県東濃産ヒノキの使用になります。

能登ヒバ(ノトヒバ)

強度があり曲げにも強い国産材の能登ヒバには様々な効能もあります

石川県の輪島市、穴水町を中心に能登半島全域で造林されている国産材は「能登ヒバ」別名「アテ」と呼ばれています。同じ能登ヒバでも、マアテ、クサアテ、カナアテなどの品種があり、それぞれ性質が少しずつ異なっています。
能登ヒバは、有名な青森ヒバよりも強度があり、曲げにも強いことが分かっています。他の地方のヒバと同様、能登ヒバにも殺菌性のあるヒノキチオールが多く含まれるため、腐りにくく、高い耐水性があります。また独特の強い香りがあり、この香りにはリラックス効果が認められています。
部屋の消臭・芳香剤としても有効で、アンモニア臭、生ゴミ臭にも効果があります。
ほかの樹種には見られない程シロアリに対する耐性が高く、ダニやゴキブリもよせつけません。 このような木材としての利点だけでなく、薬草としての効能も高く、近年ではアトピー性皮膚炎への治療効果が注目されています。
その葉には坑酸化作用があり、食品の腐敗を防ぐことができるため、能登地方では刺身の皿の下にヒバの葉を敷くそうです。
弊社ではお客様の指定があれば、化粧ばり・土台・大引き・ネタ垂木・柱・間柱・筋交い・造作材・壁板・外部下見板・床フローリング・天井フローリング(自然乾燥材で倉庫に保管)などに使用します。

青森ヒバ(アオモリヒバ)

今も多くの林が残る国産材の青森ヒバ 殺菌・防虫成分などの効能があります

木曽ヒノキ、秋田スギと並び日本三大美林のひとつである国産材・青森ヒバは、幕政の時代に厳しく統治・保護されたヒバ山にあったために、今もそのままの美しい姿を遺しています。
ヒバ林のほとんどは青森県内に集中し、下北半島、津軽半島の山間部では、濃い緑色のヒバ林を随所に見ることが出来ます。
ヒバは「明日はヒノキになろう」の意味で「アスナロ(翌檜)」の名でも親しまれる樹木です。その樹脂には、殺菌性の強い精油成分「ヒノキチオール」が含まれ、特有の匂いがあります。ヒノキチオールには他にも防虫効果があり、シロアリ、ゴキブリ、ダニ、蚊などを寄せ付けない効果があるとされているほか、近年ではアトピー性皮膚炎の治療にも役立てられています。
900年前に建立された中尊寺の金色堂がヒバづくりであることからも分かるように、耐久性、耐朽性にも優れた木材です。さらに水湿への耐性が優れており、カビの発生を抑制する作用もあることから、湯船をはじめ水廻りで使用されることが多い木材です。高温多湿な日本住宅の土台として適し、構造材や造作材としても利用されています。
弊社ではヒバの柱・化粧材・造作材・板材を、保管使用しています。

(スギ)

美しい木目が珍重される国産材

日本特産の国産材である杉は、本州、四国、九州、屋久島に分布し、秋田杉、天竜杉、吉野杉、日田杉、飫肥杉、屋久杉などが有名です。
辺材は白色、心材は淡い紅色~濃い赤褐色で、時に黒色もあります。木理(モクリ)は通直で、肌目はやや粗め、特有の香りがあります。軽く柔らかく、脂が少ないので加工しやすい樹木です。
寒冷地という厳しい環境で少しずつ育ってきた杉は、年輪の目が細かく、赤みが強く、とても美しい木目を持ちます。清純爽快な香りで構造的に強く腐りにくい、という特性もあります。耐陰性が非常に強く、親木から出た下枝が発育して繁殖する「伏条性」であること、老木になってからも成長が持続することなども杉の特徴です。
弊社では杉の柱・造作材・建具などに使用します。

米ヒバ(イエローシダー)

耐久性に優れたヒノキ科の木材

見た目は薄い黄色で香りも「青森ヒバ」に似ていることから、建築業界では「米ヒバ」と呼ばれていますが、実は国産のヒノキと同じヒノキ科ヒノキ属です。
米ヒバは、北米大陸のアラスカからオレゴン辺りまでの太平洋側に生息する針葉樹で、じっくりと年輪を重ねながら育つために、木目が緻密で均一な年輪の美しい木材です。
芳香が強く、ヒノキチオール(不飽和七員環化合物)が含まれているので、耐腐朽性に優れ、害虫や細菌がつきにくいことから、白アリや腐朽にも強い上に、剛性が高く対衝撃性にも優れているので、住宅の土台や柱など構造的にも重要で、湿気の影響を受けやすい箇所に使われています。
従来、社寺での使用が主流でしたが、近年、米ヒバは日本の気候風土に適合し、時代の要求に応えうる高級住宅用木材として、一般住宅建築では、土台・柱・建具のみでしたが現在では、構造材・屋根・床・壁・ウッドデッキ・門塀・浴室・家具・下駄箱・和室・欄間と、幅広く使われています。

米松

梁材に最適な樹種

北米大陸の西部に広く分布する松の一種で、柱や梁といった建築用構造材をはじめ、造作材やフローリング材、家具、合板などの素材に多様に用いられています。針葉樹の中では重くて強いのが特徴で、黄色または赤褐色の心材も特徴です。輸入材ですが、一説には明治時代にすでに輸入されていたといわれるほど、歴史ある樹種です。
ベイマツ(ダグラスファー)の上級グレードを、木材業界ではピーラーと呼びます。ピーラーとは、ベイマツ丸太をロータリーレースという加工機械で、かつらむきのように機械で剥くこと(ピーリング)で、表面化粧用の美しい単板がとれるベイマツ丸太を指します。
ピーラーは高樹齢の大径木を原材料とし、色が明るく、非常にきめ細かい木目が特徴です。ピーラーはヤニを多く含んでおり、内装仕上げ材として使用する場合、ベイマツ内部のヤニを圧力釜で抜く作業が重要になります。
従来、木造軸組住宅の梁・桁等の横架構造材は地松などを原材料としてきましたが、本格的なベイマツ供給により、あっという間にベイマツ平角が梁・桁市場の多くを占めるようになりました。ベイマツ平角は日本の木造軸組住宅市場を一変させたといっても過言ではありません。
このように長尺・大径木の米マツは、日本のスギに比べて粘りがあり、引っ張りや曲げ強度も高いので、主に梁などの横架材や筋交いなどの構造材としてよく使われます。
このように強度のある樹種として有名な米マツですが、湿気やシロアリに対しては決して強くないので、床下の部材にはあまり向かない樹種といえるでしょう。
弊社では、構造材(梁材・母屋材・束材など)に使用しています。

タモ(たも・ヤチダモ)

北海道に生育する国産材のタモは、その弾力性を生かした運動具の材料として有名です

国産材・タモは、トリネコ属の落葉広葉樹。北海道に多く生育。本州北部、中部にはごくわずか分布し、樺太、朝鮮、中国、ロシアにも生育しています。
辺心材の境界は明瞭、辺材は淡い黄白色、心材はくすんだ褐色をしており、美しい杢(モク=複雑な模様)を有するものもあります。木理はほぼ通直で肌目は粗く、材は重硬で、加工性・割裂性・表面仕上げ・耐朽性はともに中程度ですが、靭性、弾力性に富みます。
ナラ、ブナ、樺桜とともに、家具材として用いられる一般的な木材であり、その他の用途は建具材、造作材、器具材、化粧用単板、などに使用されます。
 弊社では、床材・造作材・内部建具などに使用しています。

(クリ・くり)

秋の味覚・栗は、建築の土台やフローリング材としても人気の国産材

国産材の栗は、ブナ科クリ属の落葉広葉樹で、木目がはっきりと表れる環孔材です。北海道西南部より本州、四国、九州に生育し、朝鮮にも分布しています。
辺材は狭く褐色を帯びた灰白色で、心材は褐色です。タンニンを多く含んでいて、年数が経過するにすれ徐々に濃くなり、栗色から黒褐色に変化していきます。
材質は重硬で弾力に富んでいて、保存性は極めて高いものの、加工はやや困難です。釘打ちなどで割れを起こしやすいので予備穴が必要となります。用途としては家具材、器具材、建築用土台・枠材などに使用されます。
材質が堅く水やシロアリに強いので、日本の建築では古くから土台としてよく使用されてきましたが、床材としても人気があります。
軽く、乾燥後の膨張、収縮が少ない特性や、くっきりとした年輪と広葉樹の硬質感、調和のとれた色味と風合いが、フローリング材、床暖房のフローリング材に適しています。
弊社では、フローリング材・内装建具や家具材に使用しています。

(ケヤキ・けやき)

国産材の広葉樹で最良の材質を持つケヤキは、有用性とともに姿の美しさも楽しめます

国産材のケヤキは、ニレ科ケヤキ属の落葉広葉樹で、ツキ、ツキケヤキ、ケヤとも呼ばれます。
本州、四国、九州に自生し、朝鮮にも分布しています。「ケヤキ」の名の由来は「けやけき木」。「けやけき」とは「目立つ、ひときわ優れている」という意味があります。
辺材と心材の区分は明瞭、辺材は灰白色で、心材は黄褐色です。環孔材で光沢があります。玉杢、牡丹杢、泡杢などの美しい木目模様が現れるものもあります。
材はやや重硬、耐湿性、耐久性に優れている一方で、狂いやアバレが落ち着くまでにはかなりの乾燥時間を必要とします。
古来より建築材、家具材、建具材、造作材、楽器材など幅広く使用されてきました。特に寺社建築ではケヤキが建材として重用され、農家の大黒柱としても用いられました。美しい木目を利用した装飾的な部材にも多く使用されています。
弊社では、敷居・地袋天板・玄関框・床板・などに使用しています。

ナラ

加工・保存に注意を要する国産材・楢は曲木に適し、熟成樽が有名

楢(ナラ)、ミズナラは、北海道、本州、四国、九州に広く分布する国産材。樺太や朝鮮、ロシアやモンゴル、中国にも生育しています。
辺材は淡い紅色を帯びた白色で、心材はくすんだ淡い褐色、辺心材の境目は明瞭です。木理は交錯、肌目は粗く、柾目面に虎斑(とらふ)と呼ばれる虎の毛並みに似た独特の紋様があります。
伸張、反張しやすい樹木で、特に乾燥すると割れが生じやすいため注意が必要です。耐朽性は中程度、強硬で加工性はやや悪いものの、通気性に配慮すれば長期間の使用に耐える、重厚感のある木材です。
切削などの加工は難しく割裂しやすいので、釘打ちなどを行う場合は予備穴を開けておく必要があります。
用途としては、床板、合板、内装、建具、家具、桶、樽、欧風棺、洋酒樽などに加工されます。ブナとともに、曲木の材料として適しています。
ミズナラの名前の由来は、伐採時に大量の水を噴出することに拠り、木材においてナラという時は、概ねミズナラを指しています。特に北海道産のミズナラは良質とされ、「ジャパニーズオーク」と呼ばれ輸出も盛んに行われてきました。
弊社では、ドア枠・内部建具・造作材・床材・家具に使用しています。

乾燥

人工乾燥と自然乾燥

伐採され製材直後の木材には大量の水分が含まれており、放っておくとカビが生えたり、割れが生じたりします。
乾燥が不十分な木材は、建築の後で空(す)くこともあり、建物の強度にも影響するので、十分に乾燥させる必要があります。(構造材の含水率18%以下)
現在、木材の乾燥方法には、昔ながらの自然乾燥と人工乾燥があります。自然乾燥は屋外で自然の状態で乾燥させる方法で、人工乾燥は乾燥室内での機械、装置による強制乾燥です。
人工乾燥には様々な方法がありますが、一番多いのは「蒸気式乾燥法」です。乾燥庫の中に木材を入れて、重油や木くずを燃やして温度を80℃以上に上げ、湿度をコントロールしながら木材を乾燥させる方法です。かなりの高温で乾燥させるので、木材内部の水分も早く移動させることができ、乾燥時間は1週間から10日程度。乾燥むらがあるので、その後10日程度むらがなくなるのを待って使用します。ただし、高温で乾燥させると、木材が本来持っている脂分や防虫成分などもいっしょに揮発してしまうので、木材の美しい艶がなくなったり、かえって耐久性を損なうこともあるようです。
伝統的な木造建築が発達した日本では、昔ながらの自然乾燥がずっと行われていました。 自然乾燥とは、桟積し簡易的な屋根をかけて雨が直接かからないようにして、風通しによって乾かしていくものです。人工乾燥と違って木が本来もつ粘りや香り、美しさや色艶を残しつつ、もっとも大切な油分を保てることが最大のメリットです。木によっては、年単位の時間がかかるというデメリットがあるものの、木材に無理をかけずに理想的な形で乾かすことができます。また、自然乾燥の方が防虫成分を含んだ油分が揮発しにくいので、防蟻対策としても有利です。自然乾燥では、平衡含水率である15%程度の水分量に落ち着くようですが、現代の住宅はエアコンや暖房器具の使用により、さらに室内が乾燥するので、十分に乾燥させた材でも微妙な狂いは出てきます。しかしその狂いもわずかなものであり、だいたい1~2年程度で落ち着いていきます。
当社は自然乾燥で、自然の香り豊かな住まいを作りたいと思っています。